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2016-02-27(Sat)

椎茸 Q & A 椎茸栽培に連作障害はあるの?


Q 椎茸栽培に連作障害はあるの?

A あります。


畑で同じものを長期間作っていると起こってくる連作障害
様々な原因で作物がうまく育たなくなるんですが、
では椎茸栽培での連作障害というものはあるのかどうか。

結論から言うとあります。

キノコ栽培は原木や菌床で行われていますが、
原木でいえば伐り出した時に他の菌がいなければそれは無菌状態ですし、
菌床はそもそも高温で殺菌するため、菌を植え付ける前は無菌状態になります。
そのため木1本1本、菌床1個1個という単位では連作障害というものはありません


ではなにをもって連作障害というのかですが、
これはホダ木を管理する場所で起きうるものということになります。
管理する場所=畑という感じでしょうか。

椎茸栽培に限ったことではなくキノコ栽培で言えることですが、
管理する場所の衛生管理が悪いと害をなす雑菌が増殖します。
促成栽培ではハウス栽培になりますから、同じ場所で何度も発生や植菌が行われるため、
その都度残渣と言うものが発生します。

P1070371_縮小

例えば植菌では穴をあける際に出る引き屑だったり、

P1070416_縮小

ホダ場では収穫の際に出る木くず、キノコの破片など様々。
こうしたものが雑菌の餌となり原木・ホダ木に影響を与えるようになるのが
キノコ栽培における連作障害と言うことになります


P1070370_縮小

これらを防ぐために残渣は除去したり、消毒が行われることもあります。
特に植菌作業では雑菌よりも早く椎茸菌を木につかせるために消毒はしっかり行われます
バーナーで焼いたり石灰をまくなどかなり気を使います。
菌床の場合は原木よりも菌に弱いためにさらに気を使っていると思います。
原木においてもマイタケの様に弱い菌に関しては気を使いますね。


上記のように長年同じ施設での栽培を続けていると害菌が蔓延する可能性は高くなります。
そうならないように害菌の密度を下げるような努力はしないといけないのは畑と同じですね
家庭栽培の様に量が少ない場合はそれほど神経質になる必要はいないですが、
キノコ栽培でも連作障害と言うものはあるということです。


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2016-01-28(Thu)

椎茸 Q & A ホダ木の水抜きってなに?


Q.ホダ木の水抜きってなに?


何度か記事で出てきていますホダ木の水抜きというものについて解説です。

ホダ木は水分をもっています。
これを含水率といってあらわされるんですが、
椎茸菌にとっていい状態の含水率は28~47%程度とされています。
25%以下になると菌糸の成長が停止してしまうため、
乾いてきた場合は適宜散水をして含水率をあげるように管理をするわけですが、
今回は逆、高過ぎる含水率を下げるために散水を控えて木から水を抜く、つまり乾かすということですね。

P1070276_縮小

散水でも含水率は高くなりますが、やはり浸水することでかなり木が水をもちます。
発生操作の一環ですが、長時間水に沈めておくわけですからどんどん水を吸い込むわけです。

P1070297_縮小
P1070296_縮小

約20時間で10センチ水位が下がりました。
この水槽は120×300なので大体360リットルもの水を吸い込んだ計算になります。
ホダ木1本あたりでも1,2リットル程度、それほど木は水を吸い込むわけです。
もちろん浸水前のホダ木の状態によって吸い込む量は変化します。
含水率が低いほど吸い込む量は多くなります。


浸水後にキノコが発生することで水分量は少なくなっていきますが、
場合によっては含水率が高い状態のままということもあります。
それが気温が低くなかなか水分が抜けていかない時期。要するに寒い時期ですね。
もちろん長雨にあたり続けても含水率は高い状態のままになります。

含水率が高い状態が続くと椎茸菌にとってはよくない状態になります。
椎茸菌の活動が鈍ったり、トリコデルマのような害菌の侵攻を受けやすくなってしまいます。
そこで含水率を下げるために水抜きをするということを行うわけですね。

水抜きをするといっても特に何か特別なことをするわけでなく、
温度をかけて散水を控えていれば自然に水は抜けます。
水分を足すことは大変ですが減らすことは難しくはありません。
ただし乾かし過ぎないようには注意しないといけませんね。

ということで、ホダ木の水抜きとは、

A、水をもち過ぎたホダ木を乾かして水を抜く作業のこと

となります。

2015-05-28(Thu)

椎茸 Q & A ざらホダってなに?

Q ざらホダってなに?

A ダメになったホダ木のことです。

椎茸栽培では~ホダというものがいろいろとあります。
ホダというのはホダ木のことで、前につくものでいうと、

・丸ホダ 菌がしっかり蔓延したホダ木
・上ホダ(うわホダ) 表面付近にしか菌が蔓延していないホダ木。
          年内発生させる品種の中にはこの状態から徐々に丸ホダを目指していくというのもあります。
          しかしながら、うまくやらないと菌が蔓延しなくて早々にダメになることも・・・

他にもありますが、今回はその中のざらホダというものについて。

P1040773_縮小


ざらホダというのは簡単に言えば菌が死んでしまいだめになったホダ木のこと。
これがなぜざらホダと言われるのか。

木は外側から「外樹皮」「内樹皮(師部)」「辺材」「芯材」となっていまして、
椎茸菌が死滅してしまうと、皮のすぐ下の部分、つまり内樹皮がざらざらした状態になります。

P1040774_縮小

この写真の様に触るとボロボロと粉状に崩れ、例えると砂のような感じ。
そのためざらざらした感触になり、ざらホダとなります。
感触からきてると言うわけですね。

原木とホダ木の違いの様に知っておくべきことではないので、
あまり一般的なものでもないため、こういった呼び方をしている程度に覚えていてください。


2015-03-05(Thu)

椎茸 Q & A なぜ植菌は寒い時期にやるのか?


Q なぜ植菌は寒い時期にやるの?

A 木の休眠期や害菌の動きが鈍い時期などの理由です。

原木椎茸の植菌は寒い時期に行われます。
これは原木になる木の休眠期が寒い時期であるということが関係しています。
木の休眠期というのはその植物に適さない環境のときに、一時的に活動を停止する期間のこと。
原木になる木はナラやクヌギなどの落葉樹。
秋を過ぎると葉を落とし休眠に入ります。

休眠にはいると木は水分を止めます。
これが重要で、水分が通っている間は木に水分が多くなり、
植菌後の菌の成長が悪くなる
ということがあります。
(木を切った後に水分を抜く作業がありますが、余計時間がかかる)
また、水分が通っているときは皮がはがれてしまいやすいということもあります。
そういった事情から、木の休眠期に作業を行うことが一般的です。


また、害菌が活発に動かないという理由もあります。
害菌も寒くなれば活動は鈍ります。
原木栽培は菌が活着(根付く)まで時間がかかるため、
原木に椎茸菌が回るまでになるべく害菌がつかないようにしないといけません。
そういった点で見ても寒い時期の植菌の方がメリットが大きいということになります。

細かいことでいうといくらかありますが、
上記2点が特に大きな理由となり得ます。


2015-02-23(Mon)

椎茸 Q & A いしづきって何?


Q いしづきってなに?

A キノコの軸の先端部分です。


写真を用いて見てみます。

P1040046_縮小

上の写真のように、気についている根元の部分がいしづきと言います。
いしづきは漢字で書くと上のように石突き
これはつえの地面を突く部分のことを指し、固い部分になります。


P1030814_縮小 形状

キノコの形状としては大体この様に3つに分けられ、
笠(頭)、軸(足)、石突きとなります。
石突き=軸ではなく、軸の一部分が石突きと理解すればいいかと。
調理する際に「石突きをのぞいて」というのが出てきますが、
このように先端の固い部分を除くのが正解ですね。


ここからは小ネタのようなものですが、
原木椎茸の石突きには2パターンあります

P1040174_縮小

これがその2パターン。
違いがわかるでしょうか。

正解は植菌した穴から出たものと皮を破って出たものの違いです。

P1040176_縮小

こちらは皮を破ってでてきたキノコ。
石突きは平らです。

P1040177_縮小

こちらは穴から出てきたもの。
穴から出た分根が深くなり、石突きも尖っています。
こちらの方が石突きがしっかりしていますね。

これは小ネタなので覚えていなくてもいい情報ですが・・・

ちなみに、菌床椎茸では植菌穴というものがないため石突きは平らなものだけ。
また、出荷する際菌床椎茸は石突きを切る場合があり
菌床の椎茸には石突がついていないということもあります
こんなところにも原木と菌床の違いというものが存在してます。


人によっては石突きも歯ごたえがあるということで調理したりすることもあるようですが、
木のかすなどが残ってることもあるのでやはり先端の部分少しはカットするのがベターかと。
石突き以外は食べられますので、あくまで石突きを取り除いておいしく食べてやってください。

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秋田の山奥で原木椎茸を栽培しています。
鉢植えで果樹なんかも育てています。

現在本で農業について勉強中。

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